言葉と音楽に宝石がちりばめられた名作 イノック・アーデン

波が打ち寄せる浜辺。

イノック・アーデンは聡明闊達でだれからも愛され、しっかりと自分の意志を持った少年だった。いつも幼なじみであるアニーとフィリップと仲良く遊び、共に成長していったが、いつしかイノックとフィリップはアニーに淡い恋心を抱くようになっていた。

成人した彼らは、胸の内をはっきりさせたイノックが、アニーを妻として迎えることとなり、盛大な結婚式をあげて幸せな家庭生活の一歩を踏み出した。いっぽう、想いを言葉に表すのが苦手なフィリップは、二人の結婚を黙って見守るしかなく、日増しに心を閉ざしていくのだった。

漁師の働き頭として活躍するイノックは、家庭を愛し、子宝にも恵まれ、さらには日々の目標のひとつひとつを達成させながら、平和に過ごしていた。ところがある日、イノックは船上で足を滑らせ怪我を負い、仕事を休まざるを得なくなった。彼のポジションは他人に取って代わられ、イノックは職を失ってしまう。しかし、生まれたばかりの3番目の子供は身体が弱く、イノックには金が必要だった。漁師として大勝負に出ることにした彼は、高い報酬が約束された獲物をとらえるため、遠洋にまで漁に出ることにしたのだ。そして、不安がる妻を、心配ない、と押し切り、旅立って行った。

だが航海は想像を超える苦難の連続で、挙句の果てにイノックは帰路を見失ってしまう。妻のアニーは帰らぬ夫を待ち続けてはいたが、その長い不在の間も女手ひとつで子供を育てなければならない。そんな彼女をフィリップは献身的に支え――。幾年もの時間が過ぎ去り、変わり果てた姿でイノックが戻ってきた。

















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